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便潜血陽性

便潜血陽性の方へ

便潜血検査は、便中に目に見えないほどの血液が含まれていないかどうかを確認するための検査です。通常、定期健康診断などの際に、検便検査として、事前に渡された容器に付属するスティックを使って2日にわたって決められた方法で便のサンプルを採取し、健診日に持参して終了時に判定結果が渡されます。 一般的には大腸がんのスクリーニング検査として行われるものですが、この検査で陽性になったということは、口から肛門までの消化管のどこかで出血があるということを示しています。 この検査で陽性となった場合、必ず消化器内科などを受診して精密検査を受けてください。

便潜血陽性と大腸がん

便潜血があるということは、口から肛門まで繋がっている消化管のどこかから出血があるということですが、一番多いのは肛門で痔による出血です。次に多いのは、大腸からの出血で、肉眼で見えないほどの出血ということは、大腸ポリープや大腸がんが便とこすれることによって出血するケースが疑われます。 大腸がんは組織的にもろく、硬い便とこすれることで、微量ながら出血しやすいため、肉眼的な血便とならず、潜血便となって検査で陽性となります。大腸ポリープもがんほどではありませんが、同様に出血する可能性があります。 しかし、大腸ポリープも、大腸がんも常に出血しているとは限りませんので、検査は2回に分けて便のサンプルを採取して行うことが一般的になってきました。 便潜血検査を行って陽性になる人の確率は2~10%程度、100人検査すると2人から10人が陽性になるということです。陽性となった方に精密検査として大腸カメラ検査を行うと、40%の方は痔などによる出血で腸粘膜には問題がありませんでした。 しかし、残りの50%の方に大腸ポリープが見つかり、6%の方には早期大腸がん、4%の方に進行大腸がんが見つかったという報告もあります。つまり、便潜血陽性の方の60%の方が何らかの大腸疾患があったという結果になっています。 大腸の中でも比較的便が硬いのは直腸の周辺ですが、便がまだやわらかい上行結腸や横行結腸などに大腸ポリープや大腸がんができている場合は、出血するケースは少なく、便潜血検査も完全とは言えません。 便潜血検査は、確実に大腸がんを確実に発見できるスクリーニング検査かと言えばそうとも言えないのですが、便潜血検査が陽性になった方の場合、憂慮すべき疾患の有病率は6割と高いものがあります。便潜血陽性となったら、大腸カメラ検査を受けてご自身の大腸の中がどうなっているかを確認することが大切です。放置せずに消化器内科を受診し、大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。

便潜血陽性の方は早めに受診しましょう

便潜血が陽性になっても、自分は痔だからと安心して精密検査を受けないでいると、痔もあったけれど、直腸に大腸がんができていて進行させてしまったといった例に出会ったことも実際にあります。前述の通り便潜血陽性の場合、60%の方が大腸ポリープや大腸がんといった大腸疾患に罹っていました。中でも4%の方は進行がんであったという実態を重くうけとめ、必ず精密検査を受けるようにしましょう。当院では、鎮静剤を使用して苦痛を抑えた内視鏡検査を行っていますので、お気軽にご相談ください。

当院の大腸カメラ検査について

よくある質問

2回法で便潜血検査を行ったところ、1度だけ陽性でしたが、それでも精密検査を受けた方が良いでしょうか?

大腸がんは非常にもろい組織です。そのためちょっとした刺激で出血します。しかしだからといっていつでも出血しているわけでもありません。2回のうち1回も出血せず便潜血検査に反応しない場合もあるほどです。1度でも潜血があったということは、何らかの疾患が隠れている可能性が高いため、必ず精密検査で大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。

痔もちなのですが、便潜血検査とどのような関係がありますか?

内痔核や切れ痔など、痔による微細な出血でも、便潜血検査は確かに陽性になります。しかし、大腸がんや大腸ポリープによる出血でも陽性になるのです。便潜血検査は、便の中に顕微鏡的な規模の血液が混じっているということを示すだけで、どこからの出血かは判定できない検査です。そのため、便潜血陽性の場合、必ず精密検査で大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。

便潜血検査で陽性と言われましたが、しばらく忙しいのですが緊急性は高いでしょうか?

速やかに受診が必要というほどの緊急性はありませんが、可能性はそれほど高くないのですが、大腸がんがあった場合、できるだけ早期のうちに治療すれば、大腸カメラだけの処置で完治が可能です。進行させればそれだけ大がかりな手術が必要になりますので、できるだけお早めに精密検査を受けてください。